仮想通貨でおなじみのBitcoinが10月に入ってから過去最高相場を記録しており、ついに1BTC(1ビットコイン)あたり60万円のオーダーを突破しました。

今年のはじめにふと目にした時は、1BTC=15万円程度と、その時でも「たっけーなー」という感想を持っていたのですが、まさか半年そこからさらに4倍も跳ね上がるとは夢にも思いませんでした。

 

ビットコインチャート − bitFlyer

 

正直わたしはトレードでお金を増やすことには全然興味がわかないですし、過去にFXはおろか株すらやったことがないので、全然知識もありません。

しかし、あまりに高まり続ける仮想通貨の存在感に、将来嫌でも関わらなければいけないのであろうか、と戦々恐々としていたので、ここ1週間ほど時間をかけてその正体を調査していました。

 

使えんのかという話

まず庶民なら誰しもが気になるのが、実生活で使えるのかという点。

正直な話、近所で使える店は見たことないですし、Webで新しい物好きなポイントサイト等で導入されているのは、ある程度想定の範囲内なのであまり驚きはしません。

しかし、ちょっと調べただけでも結構実用的なものも出てきていることがわかりました。

例えば以下のようなものです。

 

Amazonギフト券が買えます

国内最大手の仮想通貨取引所bitFlyerではAmazonギフト券がビットコインで購入できます。

 

電気代の支払いに使えます

同じく国内大手の取引所coincheckでは電気料金の支払いにビットコインが使えます。

 

海外旅行に行けます

格安旅行代理店のH.I.Sでは、海外旅行パッケージツアー代金をビットコインで支払えます。

 

ビックカメラで使えます

家電量販店はITと親和性が高いですからね。全店で支払いに使えるようです。

 

 

ここまで来ると、庶民の生活圏にもクロスしてくるので嫌が応にも危機感を感じます。

そして、近日中にはAmazonがビットコイン支払いに対応するのではないかという噂もあり、じわじわと勢力図を広めている感じがしますね。

なんですけれども、いざ実際に日本で生活している我々がビットコインで決済するかというと、まだその必要性は感じませんねー。

そもそも一日に10%近くも乱高下するような為替レートの通貨で支払って大丈夫なのか、という心配はありますが、基本的には仮想通貨の取引所が間に入って円レートから為替チャートを逆算して払っているので、手数料以外は損することは無いようです。

でも、後からチャートを見て、「午前中に買っておけば1割引だったのか……」と後悔することはあるでしょうね。

今のところ、海外旅行と家電量販店という明らかに中国人観光客をターゲットにした商売から始まっているところから見ると、まだ庶民の決済手段として普及するまでには至っていない状況と言えるでしょう。

 

コインが多すぎるという話

少しでも仮想通貨に興味を持った人なら、取引所に口座を開くのは簡単なのですが、いざ取引開始しようとするとアルトコインと呼ばれる2番手以降の仮想通貨があり、果たしてどれを買っていいのか迷うことと思います。

国内でもっとも多くの通貨を扱うcoincheckでは、2017/10/17時点で13種類もの通貨が存在します。

 

 

世界中にはこれ以外にも数え切れないほどたくさんの仮想通貨が存在しており、誰も数えられないので一説には1,000種類以上あるのではないかといわれています。

その中にはもちろん悪質な詐欺通貨も多数まざっており、庶民にとってもっとも大事なのはこれらに対してきちんと防御策をはることです。

基本的には、2017年9月から仮想通貨の取引所は金融庁の登録機関となることが日本においては義務づけられましたので、金融庁登録の取引所で扱っていない通貨には絶対に手を出さないというスタンスでいいと思います。

 

少なくともその上で、仮想通貨の種類を私なりに分類してみました。

 

Bitcoin(ビットコイン)

仮想通貨の基軸通貨とも言えるのがビットコインです。

仮想通貨交換登録業者の中でももっとも取り扱いが多く、多くのコインに変換するために一度ビットコインを経由する必要があるという状況からも、未だに仮想通貨の中では最重要なポジションにいることは間違いないです。

ただし、ビットコインには技術的な制限が以前より指摘されており、一つの決済が承認されるまでに10分ほどかかるというのがその最たるものです。

実取引の上で決済完了までにかかる時間が10分というのはちょっと長すぎます。

なので、現在の形のままのビットコインが果たして未来にも存在し続けるのかどうかは疑問が残る状態です。

それが、多数の派生コインを産んだ原因にもなっています。

 

Ethereum(イーサリアム)

イーサリアムは、ビットコインに次ぐ第二位の時価総額を誇る仮想通貨ですが、厳密にいうとこれは通貨ではなく借用書のカタマリなんだそうです。

「支払いが行われる条件」をあらかじめプログラムしておき、それに合致したときのみ支払いが行われるという仕組みを備えていて、保険商品のような複雑な条件を表現するのに向いているという特徴を持っています。

なので、ビットコインと一つ確実に違う特徴を有しているという点で、存在感を示しています。

ICOと呼ばれる仮想通貨を使った株式上場のようなものを行う企業がここ最近増えており、これらへの投資にはイーサリアムが採用されることが多いので、投資に興味がある人は持っておくといい通貨なのではないかと考えます。

イーサクラシックは、もともと一つだったイーサリアムが開発者の仲違い(機能改善に関する方向性の違い)によって分岐した、別バージョンです。

『通貨が分裂する』という衝撃的な出来事を世に知らしめた通貨であり、亜流としてすぐに消えると思われたのに、現時点でもしぶとく生き残っています。

こういう風に仮想通貨が分裂することを、ハードフォークといい、実は本家ビットコインも一度ハードフォークして、ビットコインキャッシュという別の通貨を生み出しています。

そして、イーサリアムもちょうど昨日10/16に第二回目のハードフォーク「ビザンチウム」を迎えており、さらに続いてこれから「コンスタンティノープル」と続いていくようです。

このハードフォークというのは、性能改善やセキュリティ対策として必要なものである、というのが開発コミュニティの中では認められているようなのですが、通貨として使う側としては定期的に分裂されたのでは、資産の保全という点でたまったものじゃ無いと思うのはわたしだけでしょうか?

現時点では、仮想通貨の使い道はほぼ投機目的に絞られていますので、時価総額上昇の格好の手段だと目されているように見えます。

そしてこのハードフォークには、他のアルトコインで得られた技術的ノウハウを次々と吸収して行っているように見えており、これが繰り返されると、より開発者を集め、より高い時価総額を記録した通貨だけが生き残っていくという未来が見えてきます。

おそらくこれからブロックチェーン型のデータベースにおけるランニングチェンジの一つのお決まりの形になっていくのかなと思います。

これは、仮想通貨に関わるのであれば慣れなければいけない仕組みですね。

 

Ripple(リップル)

リップルは仮想通貨の中でも異色の通貨であり、Ripple社という明確な管理主体が存在しています。

そして、リップルは通貨そのものというよりも例えばドルと円を交換するときに、その間に入る触媒のような働きをします。

円からドルに直接両替するよりも、リップルを経由することで両替手数料をなくすことを主眼に置かれて作られた通貨だということです。

とは言っても、最終的に仮想通貨取引所から各国通貨に変換するときに多少の手数料はかかってしまうと思いますが。

他の通貨が、各国通貨を置き換えるかのような挑戦的なポジションをとっているのに対して、リップルははじめから現在の為替システムの中にうまく溶け込むようなポジショニングをはじめからとっているというわけです。

しかし、Ripple社がアメリカ企業である以上、どうしてもアメリカの息がかかった通貨であることは避けられず、それだったらドルでいいんじゃないかというところとのせめぎ合いになるような気がしています。

 

NEM(ネム)

Bitcoin2.0とよばれる、単なるビットコインの改善ではなくて、ビットコインとイーサリアムのコアと言える承認の仕組み(コンセンサス・アルゴリズム)を組み合わせて新たな思想で再設計した仮想通貨です。

NEMはNew Economy Movementの略で、かっこよく訳すと「新たなる経済の胎動」といったところでしょうか。

PoI(重要度の証明)という仕組みを採用しており、ビットコインやイーサリアムよりも地球に優しく、権力がひととこに集中しづらい工夫がなされています。

ブロックチェーンの健全性がどこまで保たれるのか、というのはある意味集合体としての人類に対する挑戦のようにも感じるので、その結果次第で評価が変わる仕組みかもしれません。

ガンダムで例えると、Zガンダム(ビットコイン)、ジ・O(イーサリアム)、キュベレイ(リップル)に対して、νガンダムなのか、ZZガンダムなのかはたまたSガンダムなのか……その正体は未だわからないというところでしょう。

雰囲気的にはZZガンダムではなさそうですが。

 

その他のコイン

大手取引所で取引されているもののうち、上記4つ以外はあまり違いが見出せませんでした。

どれもビットコインかイーサリアムに小さな改善を施したコピーのように見えます。

私の所管を簡単に述べていきます。

 

Litecoin(ライトコイン)

ビットコイン派生型。ビットコインの決済速度を改善するために、比較的初期にリリースされた通貨。決済速度の改善と引き換えに、若干改善耐性を犠牲にした面がある。しかし、現在では決済速度が早いコインは多数出てきており追いつかれてしまったような印象。

 

Monero(モネロ)

ビットコイン派生型。こちらはセキュリティと情報の匿名性に特化したビジネス用途の通貨。こういった用途はプライベートチェーンの普及と食い合う気がします。

 

Dash(ダッシュ)

ビットコイン派生型。ビットコインとほぼ同じ仕組みだが、ハッシュアルゴリズムが改善されており、決済にかかる時間がビットコインの1/4程度なのが特徴。

Zcash(ズィーキャッシュ)

ビットコイン派生型。Monero, Dashよりもさらに匿名性を強化した通貨。

 

Factom(ファクトム)

ビットコイン派生型。ビットコイン2.0に分類されている。オフチェインというブロックチェーン外の記録の仕組みを含んだネットワーク。記録の管理などが目的であって、通貨には見えないですね。

 

LISK(リスク)

イーサリアム派生型。サイドチェーンという技術を用いて、イーサリアムの処理性能と安全性を向上させた通貨。発行数が無限であり、インフレ型をとっていることが特徴。イーサリアム陣営が巨大コンソーシアムを形成しているので、挽回は難しいか。

 

Augar(オーガー)

イーサリアム派生型。イーサリアムの仕組みを使って、不正のない賭け事を行えるように設計された仮想通貨。

 

まとめ

仮想通貨って言ってきましたけど、専門家界隈では暗号通貨というようですね。

クリプト・カレンシー。

こっちの方がかっこいいのでこれから暗号通貨と呼びます。

 

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