数ある日本の社会問題の中で、わたしが断然興味あるのは人口減少の問題です。
2014年に『消滅可能性都市』という刺激的な名称でレポートが作られてから3年経ちましたが、その後大きな話題はありませんね。
人口というのは非常に緩やかに変動するものなので、2-3年という短いスパンではあまり大きな変化はないということでしょう。
次にまた話題に登るとしたら、2020年の国勢調査ですかね。
人口減少は問題なのか
この三連休は地元に帰省していたのですが、実家に帰ると嫌が応にも人口減少という現実を突きつけられます。
わたしが通っていた小学校の児童数が半分になったとかいう話を聞いたり、街中の人通りが閑散としているのを目の当たりにすると、このままではこの街は滅びてしまう、なんとかしなければ…という感じに外から目線では問題と捉えてしまいがちです。
ただ、そういった外見の数字や雰囲気に惑わされないで、実態はちゃんと見てみないとわからないものなんですね。
以前、地元で教師になった同級生に、一体現場はどんな状況なのかというのを聞いてみる機会がありました。
正直、絶望的な状況と多くの問題点を挙げてくれることを期待していたのですが、意外にもその答えは「クラスの人数が減って、ひとりひとりをちゃんと見られるようになったので、むしろ昔より良くなった。」という肯定的なものでした。
これをきっかけに人口減少を問題ではなく、ひとつの現象と捉えるようになりました。
日本の人口減少は4回目
今、世界的に先進国の人口減少は問題として取り上げられていて、その中でも日本は真っ先に問題に直面する国として、その対応が注目されています。
まるで史上初のような扱いなのですが、実は過去の歴史を紐解くと日本の人口減少は今回で4回目であるということが歴史の調査ではわかっているようです。
外部サイト:世界人口から考える、日本の未来 − ナショナルジオグラフィック
つまり、現代を生きる全ての人々にとっては初の現象なんだけど、人類としては過去にも辿った道であるということですね。
ちなみに、過去3回の人口減少の時期と、その後増加に転じる主な要因は以下のように説明されています。
- 第一次:縄文時代後期。稲作の伝来。
- 第二次:平安〜鎌倉。貨幣経済の普及。
- 第三次:江戸時代後期。鎖国の終了。
いずれも、人口がふたたび増加に転じる要因として外来技術による革新が起きています。
人口停滞時代の終盤では、日本という国土の中で、その時の社会が生み出す食糧とエネルギーで最大限まかなえる人口まで収斂していったといいます。
おそらく、現在の状況もこの資本主義経済の中でちょうどいいバランスになるまで緩やかに下降を続けるんだと思います。
まとめ
現代の経済は日本という小さな島国だけの話ではなくなっており、人口の減少も世界的な枠組みの中で起きている現象だと言えます。
これを打開する技術革新がどこから、いつ生まれるのかはまだわかりませんが、小手先の政策で解決されるものではないですので、惑わされずに辛抱強く待つことが必要だと思います。