留学の様子をリポートしていきたいといいつつ、すっかり3週間経ってしまい、もう日本に帰国してしまいました。

予想以上に課されるタスクが重く、物書きをしているような時間は一切なかったというのがいいわけです。。。

さて、では果たして行っただけの価値があったのかどうか、現地での様子を交えて報告したいと思います。

 

コースの種類は7つ

わたしが留学した英会話学校はCPILSという韓国系の学校で、設立から17年の歴史を持つセブ島の語学学校の中でも老舗と言えるところです。

現地のタクシー運ちゃんにも『あーあそこね』という感じで名前を知られており、それなりに有名なところのようでした。

学生の中にも日本の某大企業から派遣されてきている人もいましたので、信頼性は高いと言えるでしょう。

CPILSはコースが7つあり、一般コース、スパルタコース、ビジネスコース、プレゼンテーションコース、試験対策(TOEFL/TOEIC/IELTS)コースというラインナップになっています。

在校生数はざっくり100名くらいだったと思われますが、このうち半数以上が一般コース、残りの3割程度がスパルタ、残り2割程度をその他でわけあっているという感じだと思います。

ビジネス、プレゼンはそれぞれ数名程度という配分でした。

上限数が決まっているわけではないし、在学中も一週間単位でコースを切り替えることができるので、同じクラスにどれくらいクラスメイトがいるかはある程度運になります。

わたしは結構レアなビジネスコースだったので、こちらを中心に感想を書いていきたいと思います。

 

時間割りは2パターン

時間割自体は、一般かそれ以外かで大きく違います。

一般は、朝8:00から夜19:30までの9コマ構成、それ以外は朝8:00から夜21:30までの12コマ構成です。

ただし、19:30以降は自習時間となっており、講義はありません。

いずれにも共通なのが、クラスは先生対生徒の数で分かれていて、1:1、1:4、1:8、講義形式と大きく分けて4パターンです。

もちろん、人数が少ない方が自分が喋る機会が増えるので、スピーキング力は磨かれますが、人の話を聞いたりグループの議論の中で割り込んだりするスキルは人数が多い方が勉強になるでしょう。

スパルタ、ビジネス、プレゼン、試験対策の違いは内容ですが、ビジネス以外は自分が体験したわけではないので、ルームメイトや講師から聞いた情報をもとにかきます。

 

講義内容は重要。目的にあわせて選ぼう。

スパルタはコマ数が多いだけで、内容は一般と同じようです。

コンテンツ的には大学の講義で使われる題材っぽく、時事や歴史から幅広く集められており、なんだか聞いていると大学時代を思い出すなぁという内容です。

生徒の大半が大学生なので、主要顧客にあわせたラインナップということでしょう。

 

わたしが在籍したビジネスコースは、当然ですがビジネスに寄っていて、使われるのは基本的に経済に関する考察やニュース、ライティングはEメール練習、スピーキングは仕事で使うような敬語表現が中心、それとディベート+プレゼンテーションという内容です。

ビジネスコースの特徴はディベートとプレゼンテーションですね。

ディベートは週1で、毎回テーマを変えて行います。

予定が空いている講師がオーディエンスとして見にくるので、結構緊張しますね。

形式は結構本格的なディベートの形式で、あらかじめ賛成派・反対派・仲介役に役割分担をわけられてそれにあわせて準備をさせられます。

コミッショナーもちゃんと居て、終わった後には各個人に対する講評とKPT分析レポートももらえます。

 

プレゼンテーションはビジネスコースの卒業要件となっており、最終日に自分で決めたテーマに沿って10〜20分間のプレゼンを行います。

単なるスライド作りではなく、効果的なボディランゲージの使い方やプレゼン体験を構築する特有の言い回し、オーディエンスのコントロール、体の動かし方など、かなり実践を想定した訓練です。

こちらも予定の空いている講師が見にくるので、Q&Aフェーズもちゃんとやります。

わたしはセブ市を題材にしたソリューションの提案という、比較的わかりやすめの内容にしたのですが、割と企業内で行われるプレゼンさながらの質のQ&Aがバシバシ飛んできたのでなかなか張り合いがありました。

 

他のコースの学生とは今回会うことがなかったので詳細はわかりませんが、講師から聞く限りプレゼンコースはスライド1-2枚程度のショートプレゼンテーションを毎週訓練する模様です。

試験対策のコースはタイトルからなんとなく予測がつくので割愛します。

 

仕事で使える英語を身に付けたいということであれば、スパルタよりもビジネスをおすすめします。

というのは、やっぱり扱う題材は興味がもてるものでないと、中々やる気がおきないということです。

今さら歴史とかの話されても全然興味もてないですしね。

社会人はもちろんですが、就職を意識した大学生でも問題ないと思います。

ただし、課題はかなりきついので、正直遊ぶ時間はあんまりとれないと思った方がいいでしょう。

 

セブ島に英語を勉強しにきたけど、それほどガチでなくほどほど楽しんでやりたいという程度であれば一般かスパルタにしておくのが無難でしょう。

特に一般であれば平日もかなり時間に余裕があるし、空き時間に外出できるので、CPILS内での友人との交流やフィットネス施設の利用時間もたっぷり取れると思います。

 

ランクはいっぱいあるけど大きく分けて2つ

コースとは別の軸で、学生も英語スキルごとにランク分けされています。

そして、基本的には国籍問わず同レベルの学生同士でグループクラスは構成されますので、自分だけしゃべれなくて引け目を感じるとか、あまりしゃべれない人に足を引っ張られるということはありません。

CPILSの場合は、ランク1〜6まででそれぞれLow/Middle/Highで分割される18段階構成となっています。

+がつく場合はその間ってことです。

ランクごとに6段階のレベルわけられていて、以下のようになっています。

 

 

日本人で謙遜気味に「ほとんど英語しゃべれません」と言う人は2M〜2Hあたりになると思います。

2L以下になると、同レベルの学生で意思疎通は困難ということで、基本的に1:1の個人レッスンのみのクラス構成になります。

一般的な大学生レベルですと、Pre-Intermediateのレベルが国籍問わず最も多いです。

日本人は最初しゃべれないんですけど、受験英語のおかげでリーディングとリスニングの能力が高い傾向があるので、慣れてくればちゃんと意思疎通できる人が多いと思います。

相手の言ってることはなんとなくわかるけど、なんて言えばいいのか自信がもてない場合にはとりあえず黙っている、という国民性のようです。

最も多数派の韓国人は見事に逆で、相手の言ってることはよくわからなくてもとりあえず喋りまくるので、なんかすごそうに見えるという傾向がありますw

そして激しくハングル訛りしている人も多いので発音が全然聞き取れません。

わたしはルームメイトが韓国人で、最初なんて言ってるのか全く聞き取れなくて、自分の耳の悪さに引け目を感じたのですが、2日くらい経つと「あんた全然しゃべれてないやん」というのがわかるようになってきました。

 

最初にプレースメントテストというのがあって、これでクラス分けされますが3週間ごとに再テストがあってランクの見直しが行われます。

わたしは3M+からのスタートで、最終的には3H+までアップしました。

 

まぁざっくり言って、「英語苦手なPre-Intermediate」「意思疎通は問題なさそうなIntermediate」という2つが大半かと思います。

1は小学生レベルだと思いますし、5以上はもはやここに来ても学ぶことはあまりないでしょう。

 

上達の鍵。宿題への取り組み方。

19:30以降に自習の時間が設けられているコースについては、この時間の過ごし方が上達の鍵になります。

 

正直、与えられた宿題をただ終わらせるだけではあんまり上達しないかなと思いました。

その一日で使った構文を復習して、自分で使えるようになるまで反すうして、次回同じシチュエーションに出くわしたら実際に使ってみる、とかまでしてようやく上達すると思います。

1日に9〜10コマもクラスがあると、その中で出てくる表現は一度にとうてい全部覚えられません。

自習の時間を使っていかにこれを整理できるか、ということが重要ですね。

宿題終わって寝てる学生もちらほらいるので、これだとスパルタの意味があんまりないですね。

逆に、一般コースでも空き時間に積極的に復習の時間を取れる学生はどんどん上達すると思います。

 

ビジネスコースの場合は、最終プレゼンテーション準備がかなり自習時間を圧迫しており、3週間での完成はかなり重かったです。

わたしは自分で言うのもアレですが、日本語でのプレゼンや資料作りは結構得意な方なのですが、やはり英語でこれだけ長い時間のをやるとなると全然違いました。

言い回しや表現方法まで、大学で初めてプレゼンを習った時のような地道な暗記作業が必要で本当に時間がかかりました。

テーマ決めと情報収集、資料作成、そして発表練習とで連日夜11時、12時までかかることもザラで、休日を丸一日潰すことも数回ありましたね。

とはいえ、やはりこれだけやれば終わった後の達成感もありますし、もう十分という感じもあります。

 

日常生活も勉強のうち。友達との付き合い方。

ずっと英語を使わざるを得ない環境に身を置いていると、母国語が通じる友人がなんとも愛おしく感じるものです。

数日過ごした後にたまに日本人だけで食事するような機会があると、なんとも言えない癒しになります。

ルームメイト情報によると韓国人の大学生カップル率がすごいようなのですが、まぁこれもそのためかとなんだか納得してしまいます。

しかし、英語を勉強しにきたのならば、日常生活も英語に振る方がいいです。

わたしは、できる限り日本人とは行動を共にしないことを決めていたので、幸いにも週末のイベントは殆ど韓国人・中国人・台湾人に囲まれて過ごすことができました。

中には英語ペラペラな人間もいて、クラスでは絶対使わないけども、日常生活ではよく使うくだけた表現にも触れる機会がもてます。

さらに仲良くなれれば帰国後にも連絡を取り合うことで引き続き上達の機会を得ることができますので、外国人の友人と積極的につるむように人間関係を広げましょう。

皆基本的にオープンであり、ハーイと挨拶するだけで簡単に輪に入れてくれます。

そして、バーイと言ってバラバラと輪から抜けていきますw

この辺のドライな人間関係になれることも、多国籍の人間関係の中でうまく立ち回るコツだと思います。

 

そして、何より最もありがたいことが、外国人の多くは日本文化に多大な興味を持ってくれているということ。

このおかげで話のネタが尽きることはないです。

言葉、食べ物、土地柄、人の性格、俳優、J-POP、スポーツ(特にサッカー)、ファッション、アニメ、マンガ、ゲームなど、全てにおいて日本のことをよく調べ、そして多くを知っています。

わたしの韓国人ルームメイトもスラムダンクと格ゲー(The King of Fighters)が大好きということで、わたしより詳しかったですw

かろうじてついていけたのでよかったですが、やっぱり日本人である以上、日本のことはよく知っているにこしたことはないです。

 

問題は生活面

英語習得の場としては申し分ないという感触のフィリピンですが、やはり問題なのは生活面です。

雑草のように強く生きれる人でないと、本領を発揮できません。

 

部屋がきたねぇ

普通に汚いです。シャワー、トイレは耐えられない人もいると思います。

最初は男子部屋だから汚いのかと思いましたが、女の子に写真を見せたところ自分の部屋より綺麗だといわれましたので、特に差はないようです。

一番きついのが、『トイレに紙を流すな』というルール。

CPILSだけではなくて、フィリピンは全般的にこのルールのようなのですが、掃除は週に一度ですので複数人部屋だとゴミ箱がどうなるかわかりますよね…。

 

慢性的に微弱な腹痛

生水を飲まないのは当たり前なのですが、それでも1週間をすぎるとお腹の調子が悪くなる人が出ます。

というか日本人は9割方こうなるようです。わたしもなりました。

食事でたまに出る生野菜サラダと、無料のウォーターサーバーの水が怪しいと思っています。

ただ、食事自体の味は悪くないです。おいしいとは言えないですが。

韓国料理だけではなくて、和風の味付けが出る割合も多いです。

ふりかけとかお茶漬けたくさん持って行ったのですが、ほとんど使いませんでしたね。

ちなみに一番美味しかった料理はビビンバ。

 

冷えたドリンクは癒し

わたしは1ヶ月400ペソ(約800円)で部屋に冷蔵庫を借りました。

ずっと暑い日が続くので、冷えたドリンクや果物、チョコレートをいつでも食べれるというのはかなり癒しです。

週末にスーパーで大量に買い込んで部屋に備蓄しておきます。

現地にいると400ペソはちょっと高く感じるのですが、絶対におすすめします。

冷蔵庫を借りてからというもの、部屋がホテルのように快適になりました。

最初はルームメイトの韓国人と2人だったのですが、あまりの快適さに「俺もここに住まわせてくれ」ともう一人韓国人が増えましたw

 

意外と風邪も流行る

一年中南国気候のフィリピンですが、風邪が流行することもあります。

それは、雨の後ですね。

フィリピンは都市の下水道機能が弱く、川の水が常に汚染された状態になっています。

雨の後はこの川の水が路上に溢れ出したりして、乾いた後に自動車が埃を舞い上げるので、街中に雑菌がばらまかれて感染者が多発します。

CPILSでも医務室は人気でしたので、常備薬は欠かさず持って行った方が良いと思います。

 

衣類は現地調達の方がよい

CPILSはランドリーサービスが週3回あるのですが、強力な乾燥機でゴワゴワにされるので、日本からお気に入りの衣服は持っていかない方が無難です。

わたしは何を間違ったか1万円のTシャツを持っていってしまったので、ランドリーの品質を耳にして一回も洗いませんでした。

代わりに、現地で500円のTシャツや短パンをたくさん購入しました。

フィリピンだと、500円でもわりと高級な方です。

 

治安はガチで気をつける。無茶しない。

基本なんですが、週末など街に出た時に知らない人についていかない、一人でやたらめったら出歩かない、貴重品は容易に触れられないところに格納するなど気をつけましょう。

CPILSの掲示板にあった被害情報見てると、誘われるがまま不用意にバイクに乗ったら路地裏に連れていかれて太ももを拳銃で打たれた、とかいう報告があるのでわりと引きます。

わたしが滞在中にも、韓国人のグループがタクシー運転手と運賃のことでモメて拳銃で脅されたという事件があったようです。

 

まとめ

他にも書き足りないことがあるように思われるほど、たくさんのよい経験ができました。

これで20万円ならヘタな英会話スクールに半年通うよりも数十倍の効果がありますので、費用対効果は極めて高いと思われます。

英語がどれくらいアップしたのか?については表現するのが難しいのですが、ひとまず外国人ならびに英語での会話に抵抗は一切なくなったと言えるレベルにはなれたかなと思います。

冷やかし気味に「ちょっと英語でしゃべってみてよー」と言われても普通に切り替えられます。

テキストや館内の張り紙も全部英語だったので、英文ドキュメントの速読力も相当上がりました。

とはいえ、やはりTPOに応じた表現を完全な文章でポンと表現できるには至っておらず、この点はやはり3週間では厳しかったと言わざるを得ません。

個人的意見としては、2週間居れば英語慣れは問題なし、もう一つ上のランクを目指すなら2ヶ月は必要という感触です。