インターネットで買い物をすることが当たり前となり、モノが世界中に届けられる仕組みが行き渡った結果、お金で買えるものが手に入らないということがめったにないという時代になりました。

そして、それを受けてかどうかわかりませんが、人々の心も単に所有するだけでは満足しなくなったように感じます。

我が家も類にもれずそのような価値観に生きており、ただお金を出して既製品を買うだけ、というのはもはや最終手段だと考えるようになりました。

 

家具を自作したい

手作りという文化の中で、DIYは古くからあるカテゴリの一つです。

わたしの実家にも工具がたくさんあり、よく庭で父親と工作をしたものです。

しかしながら、首都圏に暮らしていると、そのような豊富な工具類をおく場所も、作業をするスペースもなく、車も持っていないので駅から遠いホームセンターに行くのも一苦労で、中々実現が難しい趣味のひとつでもあります。

そんな折、子供が大きくなってきて、今まで部屋の片隅に押し込まれていたおもちゃの類をキレイにディスプレイできる棚が欲しいと思うようになりました。

子供にもそろそろ、自分の空間というものを意識させて、モノの取り出しや片付けを身につけさせたいと考えたのです。

子供が使う棚ですので、使いやすくて収納力が高く、頑丈だけど怪我しないように配慮されていて、かつ美しいものである必要があります。

使いやすい・収納力が高い・見た目に美しいという点においては、以前モンテッソーリこどもの家を見学に行った時に使われていた教材の収納棚がとてもいい感じだったので、それに近いものを探しました。

なお、現物は以下。教育機関用だからなのか、約9万円ととんでもない値段です。重さもハンバないです。

 

外部リンク:モンテ 言語教育棚 キャスター付 − 学研

 

これを購入するわけにはいきませんが、形状で気に入っているポイントは以下のような点です。

  • 上段が斜めに設計されているので、背の高いものも置くことができる
  • どこに何がおいてあるかわかりやすい(視認性が良い)
  • 下段部分は奥行きが深く、積み木のような幅をとるものも収納できる

 

類似のものを早速ネットで探してみたのですが、形・材質・価格で折り合いのつくものがなかなか見つかりません。

近いものとしては以下が見つかりましたが、取り出しにくそうな形をしている点が気に入りません。

 

外部リンク:おもちゃばこ(キッズファニチャーシリーズ) − JAJAN

 

そんな中、横にいた妻がこのなのあるよと見つけてきたのがなんと工房でした。

 

工房でものづくり

見つけてきたのは中原工房

DIYをする人のために、工具と場所と技術を貸し出しします、というサービスをやっているところです。

小物・雑貨から木工、金属加工とカテゴリごとにスタジオが分かれていますが、これだけあればほぼなんでも作れるんではないかという勢いです。

運営母体が創業97年の建築業者(JECTO)なので、納得でしょう。

今回は偶然、先の学研のサイトにモンテ棚の設計図が付いていたのでこの通りに作ることにしました。

工房に丸一日のスタジオ予約と、つくりたい棚のイメージ画像・設計図をつけて申し込みます。

その後メールのやりとりの中で、具体的に使用する木材と費用感を確認します。

 

そして工房へ

当日はレンタカーを借りて工房へ向かいます。

工房は武蔵新城駅から歩いていける場所にあるのですが、棚の大きさ的に電車で運ぶのは不可能だからですね。小物であれば運搬費はかからないのですが。

せっかくなので妻と子供も連れていきます。

受付で簡単な説明を受けたあと、木工スタジオに案内されました。

最大4組くらいまで作業ができそうなスペースに、すでに何名か作業されている方がいらっしゃいました。

みなさん常連さんですかねー。

それでは、若いスタッフの方に1名付いてもらって作業開始です。

まずは設計図をみながら、どの板をどの順番で工作していくか、決めていきます。

このときは、イメージ画像だけではなく設計図があって本当によかったと思いました。なければ事前に作っておいた方がいいと思いましたね。

時間が限られているので、工房で『ここの幅を何mmにするか』を決めていると時間がもったい無いです。

詳細なサイズと手順を決めたら、あとはスタッフの方に指示されながらスパスパと板を切っていきます。

木材の切断は天井まであるようなとんでもなく巨大な木材切断機や、スライド丸ノコを使って切ります。こりゃあ家でやったら大変ですよ。というか無理ですね。

その後も途中お昼休みを挟みながら、以前ファブラボでやったトリマービットで角丸をつけたり、表面をサンドペーパーで整えたりしていきます。

材木の下処理ができたら、最後にインパクトドライバーで釘をうって一気に組み上げて行きます。

 

以下が完成時の様子です。

 

最初の設計のところで頭を使ったらあとはひたすら手を動かすだけ、といった感じですね。

全部でトータル4時間くらい。費用は全部で2万円ちょっとくらいでした。

  • 初回手数料:1,620円
  • 1日利用料:5,400円
  • 材料費:9,800円
  • レンタカー:6,500円

材料費と運搬費がほとんどですね。

 

まとめ

DIYの工具って、ほんの少しか使わないのにある場面ではないと困る、といったものが多いので、技術もセットで貸し出してくれるところがあるのはとても助かります。

子供も木の端材で積み木をしたり、広い敷地をうろうろしたりしながら、楽しそうにしていました。最後は遊び疲れて、ベビーカーで寝ていましたね。

これからの時代、住むところの近くに工房があるか、というのも重要なポイントになってくるかもしれませんね。

実際に、合間をぬって妻が同時刻に作業していた他のグループの方と交流していたようですが、みなさん常連さんではなく初めての方が多かったようです。

 

家に設置してから、おもちゃをおいてみました。キレイに並べられますね。

この棚を見るたびに、工房ですごした一日のことを思い出すというのもDIYの醍醐味です。