子供はいつもはしゃいだり、走り回ったりしているもの、というのが通例ですが、時折ヒマそうにしていることがあります。

ふとした休日の昼下がり、わが子もカーペットの上できかんしゃトーマスのおもちゃを眺めながら、何をするでもなくごろごろとしていました。

 

ヒマなのはいいこと?

はたから見ていると、ヒマそうにごろごろしている子供はかわいいものです。

まだ小さいし、できることも少ないのだからせめて今だけはラクして過ごさせてあげたい……

普段働いていて忙しいお父さんお母さんほどそんなことを思ってしまうのが親心です。

なのですが、このすることがなさそうにしている状態というのは、子供に対してとてもかわいそうなことをしている、とわたしは思います。

 

アドラーの心理学によると、人間誰しもが『有能でありたいと願う気持ち』を持っていると言います。

これは大人でも同じなのですが、大人が子供と異なるのは選択権があるという点です。

大人であれば、同じヒマそうにしているであっても、それはあえて自ら予定を入れず、休息やリラックスのためにヒマな時間を作っているということです。

すなわち、ヒマに対して能動的なのです。

 

多くの場合、子供はある年齢になるまでは親の許可なしに外出したり、ものを買ったりして自ら環境を変えることができないでしょう。

親から与えられた空間の中で、子供は自己成長に必要なことを自分から見つけていかなければならないのです。

 

子供には時間がない

子供の自己成長に対するモチベーションは恐ろしいほどに強力です。

子供が子供でいられる時間は限られているのです。

運動能力、感覚、言語能力、数理的能力……全てにおいて子供が能力をもっとも効率よく吸収できる時期は決まっていて、それを過ぎると学習効率はガクンと落ちます。

子供も本能でそれを把握しているのでしょう。

親が与えたおもちゃだけでは成長に対して満足な結果が得られないと判断した場合、まわりにある全てのものを使って想像力を働かせ、成長に必要な課題をクリアしようとします。

子供が大きくなるにつれて、どんどんイタズラを始めるようになるのですが、これは子供の成長を望む心が、親の作り出した環境の許容値を超えてしまっているから起きるものだと思うのです。

すなわち、自分の子供がイタズラばかりするのであれば、それは自分が用意した環境が子供にとってイージーすぎる、ということを意味しているのです。

なんですが、このことを知らない親はイタズラを始めた子供からものを取り上げ、鍵をかけて子供の成長機会を知らず知らずのうちに奪ってしまいます。

 

まとめ

子供がヒマそうにしている、とかイタズラばかりする、といった事実を目にしたら、親は慌てなければなりません。

自分が子供に与えている環境に、なんらかの不備があるということを表しているからです。

外へ連れ出すか、家の中のものを使って子供が何か真剣に取り組める環境を用意してあげましょう。

それが何なのか、見つけるのはとても難しいのですが、答えはわが子との対話の中にしかないのだと思います。