企業にいると、一定の間隔で企業価値向上とか、アクションプランとかいう名前の組織横断的プロジェクトが始まることがある。こういうものは直接商品の改善に結びつくものではないので、結果的にホワイトカラーの生産性低下に寄与することになる。とはいえ、日本企業はこういう活動が大好きだ。企業で働く我々はどうしたらいいだろうか。

はじまり

大体はなんとか企画とか、デザインとかの名前がついた何をやっているのか分からない担当がこういった活動を始める。彼らは美しいパワーポイントを作るのに長けているのに加え、直接製品を扱っていないので多くの場合ヒマである。したがってたっぷりと時間をかけ、それはもう美しい計画と効果予測の絵が描かれる。そもそもテーマがざっくりしているものだから、多くのオッサン達からはツッコミどころもなくまぁいいんじゃないの的な感じで次々と稟議は通され、実行に移されていく。困るのはそれを実行させられる側の人間たちだ。あなたが現場側の人間なのであれば、どう対処するのか気持ちを決めてから取り掛かろう。

攻撃型

あなたがお祭り好きで、騒ぐのがとにかく好きだという現場側には稀有なタイプの人間であるならば、やる気満々にがむしゃらに取り組んで、とにかく周りを巻き込んで大騒ぎするのがいいだろう。きっとなんの効果も出ないが、やった感は得られるし、やっている最中は没頭できて楽しいだろう。なんの効果も出ない活動に時間を費やすことや、巻き込まれた人たちの冷たい目線を一切気にしないという鈍感力もあなたに求められるスキルだ。

防御型

あなたが人並み程度に真面目で、お人好しであるのであれば、天から降りてきた美しい絵画の意図を真摯に汲み取り、一つ一つできることを見つけて丁寧に実行に移していこう。残念ながらどんなに丁寧に対応しても何も効果がないことが保証されているが、真摯に対応したという自己満足は得られるだろう。「和を以て尊しとなす」という、日本人に多い気質をもった職場にいる場合は、周りからも賛同を得られやすいだろう。ただ、日々の業務に加わることで時間内にできるわけもないので、増える残業に如何に耐えられるかというHPの多さも求められる。

回避型

あなたが人を小馬鹿にするのが大好きで、不真面目な人間であるのであれば、美しい絵の上にラクガキでもしてみよう。「オレだったらこうするね」という上から目線の能力を活かして、自分がやりやすくなるように、曲解をうまく活用して意図的にテーマを捻じ曲げていこう。安心してほしい、その行為を咎める人間は誰もいない。なぜなら効果測定なんて初めから誰もするつもりはないからだ。もちろん、あなたの描いたラクガキにもなんの意味もないことは、肝に命じておかなければならない。

まとめ

今回は現場側の人間について対応方法を描いたが、実は企画する側の人間にも当てはまる。多くの場合はある程度社内で力をもった管理職が言い出すので、部下は意味ねえなあと思いながらも従うしかない。もしあなたが力をもった管理職であるならば、自分の仕事がなくなることを恐れずに、部下を早く帰らせて、もっと意味のある事業の立ち上げに直接取り組んでいただきたい。