
前回の記事に引き続き、羽毛布団の選び方を紹介していきたい。この辺りから、羽毛自体の品質からは離れたところに話が及んで行く。
LEVEL4. 認定ラベル
LEVEL3までで既に指標が複数出てきて、「なんだかわかりにくくなってきた!」と感じる方もいるだろう。そんなあなたのことを考えてか、羽毛布団関連の団体が認定ラベルを発行している。なお、残念ながらバスケットボールのように協会が2つあるようだ。以下に、それぞれの団体が出している認定ラベルを列挙する。(いずれも上から順に評価が高い)。
- 日本羽毛製品協同組合による指標
- プレミアムゴールドラベル(dp 440以上)
- ロイヤルゴールドラベル(dp 400以上)
- エクセルゴールドラベル(dp 350以上)
- ニューゴールドラベル(dp 300以上)
- 快適睡眠環境研究所による指標
- プラチナラベル(dp 480以上, WWR-m 330-350)
- ブラックラベル(dp 440以上, WWR-m 310-330)
- ゴールドラベル(dp 400以上, WWR-m 290-310)
- シルバーラベル(dp 350以上, WWR-m 270-290)
- レッドラベル(dp 3000以上, WWR-m 240-270)
- グリーンラベル(dp 240以上, WWR-m 170-220)
- イエローラベル(dp 190以上, WWR-m 150-180)
両団体に共通する指標として、dp(ダウンパワー)という数値が出てきた。これは「かさ高」というもので、羽毛を同じ重量(1グラム)容器に入れた時にどれくらいの高さになるか、というものだ。よりフワフワなものほどかさ高が大きい。一方、快適睡眠研究所が用いているWWRという指標は、軽暖性能というもので暖かさを表す指標だ。ラベルがない商品の場合は、数値で比較しよう。いいものを手に入れたいと思うのであれば、これらの指標も参考になる。
LEVEL5. 側生地の品質
側生地とは羽毛を包む生地のことだ。実は羽毛布団の原価に占める羽毛価格の割合は50-60%に過ぎず、残りの約半分弱は側生地の価格なのだ。もちろん、羽毛が高級でも側生地が安ければその比率は減るのだが、一般的に高価なものであれば高価な容器で包みたいと思うのが人間の本能だろう。ただ、この側生地というのは色んな種類があって羽毛のように2,3個の軸でランク付けするのが難しい。あくまで、「ちゃんと側生地にもこだわって作っていそうか?」という判断軸で考えよう。言及がないものなどは気をつけた方がいいかもしれない。
LEVEL6. 販売店の信用
さて、ここから羽毛布団業界の闇に踏み込んで行く。これまで紹介してきた情報を頼りに、消費者は自分に適切な羽毛の比率、種類、産地、ラベル、生地を決めたうえで、複数の販売店を比較しておトクなものを手に入れようとする。しかし、調べていくと、販売店によってほぼ同じ条件なのに価格差が2倍以上開いているのが見つかるだろう。「なんて大特価セールなんだ!」と思うかもしれないが、違う。そう、偽装表記問題だ。この、羽毛布団業界というのは偽装表記が横行している。なぜなら、羽毛比率が何%か、産地がどこか、dpがいくつかなんて、消費者は確かめようがないからだ。事実、ハンガリー、ポーランドから輸入されている羽毛の量に対して、日本国内に出回っているハンガリー、ポーランド産表記の羽毛布団の量が多すぎると言った専門家の声も見かけた。「そのためにラベルがあるんじゃ…」と思うかもしれないが、実はラベルは販売店が申請するだけで誰でも貼れるらしく、チェック機構はないらしい。協会が実際に店頭でラベルの抜き打ち検査をしたところ、ラベルの品質基準を満たせていたのは全体の3割程度しかなかったという驚きの調査結果も出ている。あなたが見ているその情報・・・全てウソかもしれませんよ?
次の上級編では、販売店の信用を判断するために私が有益と思える判断軸をご紹介しようと思う。