
8月終わりの暑い太陽が降り注ぐなか、東京都町田にある国際モンテッソーリ協会(AMI)付属こどもの家がこの度サマースクールを開講してたので、2日間息子を通わせてみました。
町田駅から徒歩15分ぐらいのところですが、住所は相模原市になります。町田が東京じゃないと言われるのもやむをえないですね。
国際モンテッソーリ協会(AMI)
以前わたしが講座を受講した日本モンテッソーリ教育綜合研究所は、運営元が才能開発教育研究財団と言って学習参考書で有名な学研が出資して設立した公益法人です。
一方AMIは、マリア・モンテッソーリの息子のマリオ・モンテッソーリが、モンテッソーリ教師の養成のために設立した専門機関なので、系譜的にはよりこちらの方が直系に近いと言えます。
学研の方はどちらかというと少しでも多くの人に、モンテッソーリ教育を知る機会を増やしたいという思想で、受講者の負担が少ない通信講座で認定を与えているのに対し、AMIの方は1年間みっちりと通わないと認定資格が授与されませんので、学習コストは段違いです。
ただ、どちらもトレーナーをやるくらいの先生方は長年の経験も伴っていて、双方のお話を聞いていてもその差はほとんど感じませんでしたので、子供に教育を受けさせたいという立場ではそれほど気にすることでもないと思います。
本格的に教員を目指したいということであれば、認識しておいた方がいいですね。
なお、モンテッソーリ教育の本場アメリカにはまた別のアメリカン・モンテッソーリ協会(AMS)というのもあって、こちらの認定資格もまた別です。
マリア・モンテッソーリ本人は、生涯を子どもたちとの交流と研究に当てて過ごしたので、その教えを広めるというところは、いずれも他の人たちの仕事となったわけですね。
目的
今回、サマースクールに通わせる目的は2つありました。
ひとつめは、これまで体系的に学んだモンテッソーリ教育の知識に基づいて、自分なりに家庭でいろいろやってみたわけですが、うまくいっているところとそうでないところの両面がありました。
今回は、現場で行われている環境に息子を投げ込んでみて、彼の振る舞いがどう変わるか?という変化をみてみたかったのです。
2点目は、妻にモンテッソーリ教育を実際に触れてみてほしいと思ったという点です。
これまで知識は共有していたのですが、おそらく世間一般の反応と同じように若干まだ懐疑的で、その認識を大きく変えるには、実際のわが子の変化を目の当たりにするのが、一番いいだろうと考えたのです。
結果
まず子どもの方は、難なく環境に溶け込み、無我夢中でお仕事をはじめました。
それほど広さはないスペースに所狭しと置かれたお仕事道具や、そこにいる先生と他の子どもたちが醸し出す雰囲気を感じたのか、家や保育園での様子とは全然別人のような動きを見せました。
特に、水道を使って水を汲んだりこぼしたりするのが一番気に入ったようです。
普段はなかなか触らせてもらえないからかなー。
家ではなかなかこうは行かないのはなぜですかね。
教師養成講座でも言及されたのですが、おそらく『全てを子どもサイズに設計する』ということをいかに徹底してやるかにかかっているように思います。
言うのは簡単なんですが、実際準備するとなると結構大変です。
大人にとっては子供のサイズ感を予想するのがとても難しいので、前例がないものだとかなり頭を使いますし、使っている姿をなかなかイメージできないのですよね。
他にも、自分の子どもに対する先生たちの接し方も非常に勉強になりました。
特に引き方ですかね。
モンテッソーリを勉強していると、自分の子どもをイメージしてそんなに子どもが大人しく話を聞いてくれるわけないだろとうがった見方になっていたのですが、やっぱりその通りでした。
先生の提示にも、途中で割り込みますし、途中で放り出してどこかへ行ってしまいます。
しかし、それでも先生方は平然としていて、他の子の相手をしたり、また興味が戻ってきたと感じたら、また誘いかけたりしています。
やはり現場ではこの繰り返しが重要なんだなと再認識しました。
次に妻の方ですが、子供の変化を驚きをもってわかってもらえたようで、モンテッソーリ教育の効果については疑いようがないという点は認めてもらえました。
しかし、やっぱりどうにも好きになれない点が残るということもわかって、それはモンテッソーリ教育が科学に基づいた手法であるという根本的なところでした。
これはもうその人の価値観の領域かなと思いましたね。
わたしは元来理系で科学教の信者なので、科学や論理以外は逆に信じられないのですが、子どもというのはもっとスピリチュアルな存在で、理論や電気信号では測れない何かを持っているはず、という考え方の方が、確かにより一般的かもしれないなと感じます。
モンテッソーリ教育をやれば、誰でもメラミが使えるようになるかのような言い方をされれば、懐疑的にもなるでしょう。
この点は、無理にモンテッソーリ教育信者に仕立て上げることを強制するのではなく、シュタイナー教育とか、他の色々な方法論も交えて、自分たちに最適な教育というのを作り上げていく必要があるなと感じました。
まとめ
自分の行なっている教育を見直すのにもよい気づきが得られましたし、他の方法論にも興味が湧いてきました。
結果的に有意義な2日間だったと言えるでしょう。