会社に正社員として採用されると、基本的に仕事を選ぶことはできません。

なのですが、そこは人間。

できるだけ自分にとってやりたいことを選んで生きていきたいものです。

同じサラリーマンの中でも、自分がやりたいことをいかに仕事としてゲットするかは上司や周囲との交渉力が問われます。

あらかじめ、自分はどういう仕事を受けたいのか、よく考えて交渉に臨みましょう。

 

4つの象限

会社で発生する業務は社内価値市場価値を軸に、以下の通り4つに分けることができます。

 

基本的には、誰もが最初は『④雑用』からスタートし、右上の『①コアバリュー』を目指していくこととなります。

一部例外的に、将来の幹部候補生として期待されて入社した場合は、早い段階から『①コアバリュー』に近い業務を任されることもありますが、あくまで例外と考えましょう。

誰もが『④コアバリュー』の仕事ばかりをやりたいと願うものですが、このたぐいの業務は数が限られており、才能と経験と運を兼ね備えた一部の人間にしか割り当てられない傾向にありますし、次から次への優秀な若手が補充されてきますので、競争も激しいです。

なので、基本は①以外の象限に軸足をおきながら、虎視眈々とその機会を狙っていくことになります。

 

ポジションをとる

重要なのは、自分が『②社内官僚』方面から攻めるのか『③外注』方面から攻めるのか、軸を決めておくことです。

 

『②社内官僚』方面から攻めることを決めた場合は、その企業が存続する限り、かなり簡単かつ少ない労力で、その企業内の評価を得ることができるようになります。

一方で、その企業の業績が傾いた場合には引き取り手もなく、共倒れになります。

以前は安泰に見える選択肢でしたが、昨今の経済状況を踏まえると、国策企業でもない限り安定は保証されていないように感じます。

 

『③外注』方面から攻める場合には、その企業固有のビジネスが順調な場合には、自身の市場価値に比べてあまり評価されないので、辛い時期が続くでしょう。

しかし、一旦会社のビジネスが立ち行かなくなった時に救世主になり得ます。

場合によってはその領域をコアバリューと定める企業への出向や転職による修行というのも、キャリアプランの中に組み込む必要が出てきます。

 

ここで重要なのは、どちらが優れた選択肢かということではなくて、どちらかのポジションをとることを徹底しているかということです。

優柔不断に両方の業務に手を出していると、悪い状況のどちらに転んでも損をすることになってしまいます。

今は変化の多い時代ですから、失敗する回数の方が多いと思っています。

どっちに転んでもあまり嬉しくないという状況は、何よりもモチベーションの低下を招きます。

結局はそれが生産性に跳ね返ってくるのですね。

社内官僚は一般的には悪かのように言われていますが、企業が存在している限りは、市場から価値を認めてもらえるということになります。

自社のことが大好きで、まるで自分ごとのようにその会社を愛し、忠誠を誓うことができるのなら、その市場からの評価を自身に投影することも可能でしょう。

それが強烈なモチベーションになって仕事に全力を傾けられるのであれば、それも一種の社会貢献なのです。

 

まとめ

どちらが損か得かという話ではなくて、自身の興味や適性がどちらに近いかでどちらか選んだ方がいいと考えています。

時期や環境によって、どちらが正解だったかは刻々と変わります。

幸いなことに今の時代、ビジネスのスピードが加速し、その答え合わせをする回数は増えてきているので、どちらかのポジションをとって早めに失敗を経験した方が、将来の成長に繋がるはずです。

 

99%の会社はいらない − 堀江貴文  (著)