
長年仕事をしていると、上司は何人も入れ替わり、人それぞれのやり方の違いというのがわかってきます。
100点満点の上司というのも居ないものですが、一方で0点の上司というのも居ないものです。
なのですが、過去に経験した上司の『イマイチだなぁ』と思う点をつなぎ合わせると、あなたの理想としたくない0点の上司像ができあがりますので、今回はそれを考えて見たいと思います。
マネージャーの定義
最初に上司、いわゆるマネージャーの定義を確認しておきたいのですが、『人を使って何かを成し遂げる人』というのがマネージャーの定義になります。
なので、必ずしも役職に付いて居なくても、若い人たちのチームを率いているとか、委託先の人員を管理しているとか、アルバイトを面倒見ているとか、人を使う機会があるとき、マネージャーの役割を担うことになります。
その役割とは、基本的に業務を細分化して配下のメンバーに分割して与えることになります。
それでは0点なマネージャーのポイントを挙げていきましょう。
0点① 本気じゃないのがバレてる
いきなり一番難しいかもしれません。
ある職務に対して、「この人本気じゃないなー」と部下に感づかせてしまう人のことです。
仕事というのは、多かれ少なかれ人生の時間を投入していますので、特に若い人にとっては成長の機会をそれに賭けている、と言っても過言ではありません。
そんな中、それを割り振る上司が本気じゃなさそうなプロジェクトに、どうして本気になれるでしょうか?
どんなにダメなプロジェクトでも、動き出している時点で何かしら誰かが『良い』と思った要素が含まれているはずです。
その『良い』と思われる要素を自らの内に落とし込み、きちんと職務に分解して、その魅力を部下に伝えた上で割り振る、ということができれば、部下はその職務の中では最大限活躍してくれようとするはずです。
そのためには、プロジェクト全般を俯瞰して、ダメな点と良い点をきちんと分析していることも部下に伝えなければ信頼を得られないこともあるかと思います。
逆に、自分が『ダメだ』と思っている部分を部下にやらせるのはあまり良くないと思います。
部下から見ても「押し付けられている」という印象を持たれてしまうでしょう。
0点② 権限と責任をセットで割り振らない
権限と責任は必ず対になっています。
ある業務をお願いする際に、「あなたがしていいことはこれです」という権限を与えるのと同時に、「これを達成するのがあなたのミッションだ」という責任もセットで与えることです。
これらはどちらかが欠けてしまうと部下はうまく動けません。
権限が足りないと「逐一報告せよ」ということになり、部下は信頼されていないように感じ、まじめに考えなくなります。
責任が足りないと『結局達成しても、成果は上司に総取りされるんだろうな』という不信感を部下に持たせることになってしまいます。
「責任は俺が取る!」というのはかっこよく聞こえますが、それはプロジェクト全体に対してであって、割り振る業務の範囲で責任も細分化して部下に与えた方が、自立して動いてくれるようになると思います。
0点③ 「コミュニケーション」と「仲良し」を混同している
「遊びでやってんじゃないんだよ!」
仕事上のチームは、資本主義社会の中で共通の利益を目指して集まった集団であり、一つの目標に向かって問題解決を図っていくために存在している、という基本的なことを忘れてしまっている人です。
「部下とのコミュニケーションが重要」とおそらく研修などで言われたのでしょう。
若い人が好きそうなネタで、部下にすり寄ってきたり、コミュニケーション促進のための課外活動を実施するのは、努力は認めるのですが、そういうことではないのです。
基本的に誰もが課外活動は気の合うそれ専用の人同士で楽しみたいわけで、わざわざ偶然仕事上一緒になったオッサン・オバサンと仲良しごっこをしたいわけではないのです。
もちろん、趣味まで合えば最高ですが、そこまでの偶然もなかなかないでしょう。
付き合ってくれているのも、若干無理して合わせているかもしれませんよ。
コミュニケーションは職務を円滑に進めるために必要な潤滑油のようなもので、部下が気づかないようなタイミングでサッと油を差すかのようなやり方が適切で、それには適度な距離感と絶妙なタイミングが求められます。
このポイントを察知できるのも優秀なマネージャーの要素なのでしょう。
まとめ
他にも色々とありそうですが、パッと思いつくのはこんなところでしょうか。
自身も人を使うことがあると、『自分はどういう風にやっていて、それはうまくいっているだろうか』と自問自答すると良いと思います。