2歳になる息子をはじめて海に連れて行きました。

なんとなく波打ち際で押しよせるさざ波と戯れるわが子の姿を理想に描いていたのですが、怖がって全然海には近づこうとしません。

親としては期待した写真の絵が撮れずに残念な限りなんですが、子供にとってはそんなの知ったこっちゃあないという感じなんでしょうね。

 

砂で遊ぶ

ではどうしていたかというと、ひたすら砂浜の砂であそんでいました。

誰もがよくやる、砂を投げ散らかしたり、掘って穴をつくってみたり、積み上げて山にしてみたり、水をかけて固めてみたりといったような平凡な遊びですね。

せっかく海まできたのにな、と通常ならば思うところなのですが、この『砂で遊ぶ』という行為は子供の成長にとってとても重要なことだという話を以前耳にしたことがあって、それが頭の中に残っていたので気がすむまで好きなだけ遊ばせておきました。

砂という物体は、身近な自然に存在している固体の中ではもっともありふれているうえに人体に害がなく、粒が小さく、かつ水を含むことで粘性を増すこともできる特徴をもっています。

このように形状を自在に変化させるモノというのは、実際に触れてその質感の変化を肌で感じることで、子供の感受性を育てるのにとても効果的なのだそうです。

 

シュタイナー教育

オルタナティブ教育の中のひとつに、シュタイナー教育というものがあります。

ドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナーの教育理論をもとに構築された教育体系で、子供の精神の成長を最重要課題と位置づけています。

以前紹介したモンテッソーリ教育と歴史は同じくらいなんですが、自然に存在するものとの対話によってこそ、人間にとって重要な心の成長が育まれるという理念を中心に据えているのが特徴ですね。

過去記事:モンテッソーリこどもの家に見学に行ってきた

 

目指すところの人間性は共通に感じるのですが、人工物を主に使うモンテッソーリに対して、実際の自然を使うという点でアプローチ方法が異なっています。

発案者が哲学者なだけあってか、科学的進歩に対してやや否定的な印象を受けたのが、ちょっと肌に合わないなと感じましたね。

わたしが科学教の信者なので……

また、都市に暮らしていると、まわりには作られた自然しかなく実践が難しいという現実的な事情もありますね。

が、そんなシュタイナー教育を実践されている書籍でも砂の重要性について触れていたので、その点は強く印象に残っていました。

 

まとめ

個人的には『水』という物質の方が人間にとっては特別なモノであると思うのですが、事故により生命を奪う危険性を孕んでいるので、小さい子は本能で怖いと感じるんじゃないですかね。

公園の小さい砂場ではかわいそうなので、海まで行かずとももっと思いっきり砂で遊ばせてあげたいものです。

問題は、砂というのは大人にとっては後始末が面倒なモノであるということですね。

 

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