Google翻訳の精度が上がったね!という話を界隈でよく聞くようになったが、実際のところどんなもんだろうか。

試してみよう

本日日本時間の未明に行われたアメリカのトランプ大統領と安倍首相の日米首脳会談のうち、トランプ大統領の発言をGoogle翻訳にかけてみよう。なお、会談の英語版全文はホワイトハウスのホームページに記載されている。以下の冒頭のパラグラフをGoogle翻訳にかけてみた。

PRESIDENT TRUMP:  Thank you very much.  Prime Minister Abe, on behalf of the American people, I welcome you to the very famous White House.  You honor us with your presence.  This is one of our earliest visits from a foreign leader, and I am truly glad that it could be from such an important and steadfast ally.

↓ Google翻訳

大統領:大変ありがとうございました。 安倍総理大臣は、アメリカ人を代表して、非常に有名なホワイトハウスへようこそ。 あなたはあなたの存在で私たちを尊敬します。 これは外国人指導者からの一番早い訪問の一つであり、私はそれがこのような重要かつ不動の味方から来ていることが本当にうれしいです。

どうだろうか、若干おやぁ?という感じを受ける文章だ。特に最後の一文なんて和文だけ見ると意味がよくわからない。産経新聞が和訳記事を出しているのでこちらも見てみよう。

トランプ氏「安倍総理大臣、アメリカ国民を代表し、歓迎したいと思います。非常に有名なホワイトハウスにようこそおいでくださいました。お越しいただき、名誉に思っています。海外の首脳が米国を訪問してくださるのは、まだわずか数人です。非常に重要な同盟国である日本がお越しいただいたことをうれしく思います」

すっきりとまとまっていて、美しい日本語だ。しかし、英文そのままと見比べて見ると若干意訳されていることがわかる。まあ、冒頭の挨拶なのでGoogle翻訳が多少おかしくても気にならない程度だ。では、もうちょっと意味のある部分を翻訳してみよう。以下の部分を例にあげる。

We face numerous challenges, and bilateral cooperation is essential.  Our country is committed to being an active and fully engaged partner.  We will work together to promote our shared interests, of which we have many in the region, including freedom from navigation and of navigation, and defending against the North Korean missile and nuclear threat, both of which I consider a very, very high priority.

↓ Google翻訳

我々は数多くの課題に直面しており、二国間協力は不可欠です。 私たちの国は、積極的かつ完全に関わっているパートナーであることを約束しています。 私たちは共同で、航海や航行の自由、北朝鮮のミサイルと核の脅威からの防衛など、多くの地域の共通の利益を促進するために協力しています。

↓ 一方、こちらは産経新聞の翻訳

さまざまな課題がありますが、両国が協力することが非常に重要です。両国はパートナーとしてこれからも共に進んでいくことを確認しました。私たちは共通する利益をたくさん持っています。この地域では航行の自由といったものも非常に重要です。そして、北朝鮮のミサイルを防ぎ、核の脅威を防いでいくことが両国にとって重要な国益にあたります。これは非常に重要な優先課題であると考えています。

この部分については、むしろGoogle翻訳の方が原文に忠実ではないだろうか。私も普段よくGoogle翻訳を使っているが、どちらかというと話し言葉よりも書き言葉の方が正確に訳せているように思える。冒頭のトランプ大統領の挨拶のような、くだけた表現は苦手なのだろう。

Webサイトの翻訳はお手の物

ここまでは翻訳精度について見てきたのだが、私が本当に強力だと思うのは英文の代わりにWebページのURLを入力することで、埋め込まれた文字の部分だけを翻訳できるという機能的な側面だ。

イマドキのWebページはこのサイトのように文字ばかりというものは少なく、画像や動画が埋め込まれている場合が殆どだ。その場合にいちいち翻訳用のページと原文のサイトを行き来しなくても、あたかも日本語販のページを読んでいるかのような感覚で読めるというのは非常に大きい。

他に強力な機能として、Google翻訳済みのページで文章をクリックすると、翻訳前の原文がポップアップで表示される機能がついている。

冒頭にあったように翻訳の精度があまり良くなくて意味のわからない文章が出てきた時、そこだけクリックすれば原文が表示されて一文だけ自分で読めば大体の意味はつかめるだろう。

まとめ

電話交換手、という職業をご存知だろうか。昔、電話をつなぐ際には直接相手に繋ぐことができず、まずは電話交換手が受けて、相手につなぎ直すという業務を行う職業だった。この職業は電話交換機という、自動で電話回線を接続する機械の登場によって駆逐されてしまった。今となっては当たり前だと思うのだが、当時だったらそんなことは思わなかったのではないだろうか。今もなお、翻訳という仕事は世の中にまだ必要とされていて、代わりが効くとは思えなかったのだが、Google翻訳を見ていると時代が変わりそうな予感がしてならない。

余談

冒頭のホワイトハウスの記事をGoogle翻訳にかけると、記事タイトルがトンプル大統領になっている。トンプルとはまた随分マヌケな響きだ。アメリカ国外滞在中に、大統領令で入国禁止の対象となってしまった自社社員に特別支援の意思を表明したGoogleであるが、トランプ大統領への嫌がらせだろうか。わざわざ外国語を使って嫌がらせをするとは、さすがグローバル企業はやることが違う。