
3/1からいよいよ経団連の取り決めに基づく就職活動が正式に解禁となり、各社エントリーの受付や説明会などが公式に行われるようになった。
学生も企業との接触が増え、企業の人事や担当者の話を聞く場面も増えてくることだろう。
よくある質問
不思議なことに、毎年学生が説明会でする質問は本にでも書いてあるのか同じようなものばかりだ。
正直な話、企業側の説明も大して面白くないプレゼンが多いので、学生ばかりを攻めるわけにはいかないのだが、せっかく時間を使っているんだからもっと有意義に使おうよ、という気はする。
私はこれらを「乾いた質問」と呼んでいるのだが、その中でもとりわけ印象に残っているのが「若いうちから何でも任せてもらえますか?」という質問だ。
質問する意図
学生がこの質問を投げかける背景はよくわかる。
まず、この質問には他の乾いた質問とは違って、やや前向きなニュアンスが含まれる。自己アピールの要素が含まれているのだ。
だから、学生にとってはあんまり興味のない企業だとか、いい質問を思いつかない時に簡単に使える安牌的な質問になっている。
本命の企業であったとしても、企業側の担当者がそれなりにいい人であれば、大体簡単な経験談なんかを添えて回答が返ってくることが多いので、そこで働く人の様子を推し量ることができて便利だ。
質問される側の心理状況
一方、質問される企業の担当者にとってはどうかというと、この質問はyesと言わなければいけないタイプの質問だ。
なぜなら、学生と対峙する場面は企業側にとってもアピールの場であり、彼らもサラリーマンである以上は「自分の会社を売り込んでこい!」と言われてその場に立っているわけである。
大体は、若いうちに担当した比較的大きな案件をやや誇張気味に話して終わることになるので、実際の任され方がどうであれどんな人でも一つか二つは必ず簡単に出てくる。
つまり、この質問を発するということは、アピール合戦のホイッスルが鳴ったということを意味し、その後は極めて無意味な時間が流れることになる。
まとめ
このようなGDPアップに貢献しない時間は撲滅の対象とすべきだと思うのであるが、まあ場を繋ぐのにも便利なので難しいだろう。
「俺はガチで何でも任せてもらえるか知りたいんだ!」という危篤な学生さんは、何でも任せてもらえるかではなくて、入って2-3年目くらいでいくらの決済を最終承認する権限がもらえるかを聞いてみよう。
おそらく、レガシーな企業であればほぼゼロ円という回答だと思う。
一番下の管理職レベルまで行って良くて数百万円か、ひどいところではパソコン1台程度しか買えないところもあるだろう。
結局作業を任せてもらっても、最終決済権者が首を横に振るのでは何も完成しないので、決定権を持つ者に振り回されることになるということをよく覚えておこう。