
やりたいことが見つからない症候群のことについて、以前書いたが日々考えて行くうちに考えがまとまってきたので、共有したいと思う。
多くの人間はやりたいことは無い
まず私の主観ではあるが、この類の悩みを持つ人はそれなりに聞き分けのよい子供だった過去をもち、そのまま周囲にあわせてそつなく大人になってきた人間に多い。
彼らは周りにあわせて自分を変えることを厭わず、多少のストレスを感じながらも献身的に尽くしてきたいわゆる「お人よし」たちである。
こういった人々は世の中の多数派を占め、彼らがクッションの役割を担ってくれているからこそ、日本は親切な人が多い素晴らしい国であると、世界から羨ましがられるのだろう。
だから、何かやりたいことを見つけようとする行為は、この他人から褒められる「お人よし」を多少なりとも脱出することを意味し、それには苦痛を伴う。
つまり、ある程度は覚悟を決めて、時間と集中力と場合によってはお金を使って真剣に取り組む必要があるということだ。漫然と考えているだけでは先には進めない。
やりたくないことをしない?
「やりたいことを見つけるコツは、やりたくないことをしないことだ」ということを言う人がいる。これは逆転の発想的で、ハッとさせられる部分もあるのだが、実際やってみると意外に難しいことがわかる。
なぜかというと、お人好しにとってはどうしてもやりたいことは無いが、絶対にやりたく無いことも多くない。「どちらかといえばやりたい」から「できればやりたくない」の間に含まれることが多すぎるのだ。
これも特効薬は無いので、正攻法で攻めるしかないと思う。
やりたいこと群を作ろう
まずは、「これならやってもいいかな」というものを10個くらい挙げてみることだ。「1つに絞れ」と言われると難しいのだが、10個くらいだとそんなに考えなくてもいくつか上がってくるので結構出てくるものだ。
そして、その中で比較的「これは」というものを3つ選ぶ。この選ぶ3つの中に、必ずoutputの要素を含むものを最低1つは入れるということに注意してもらいたい。
仕事でもそうだが、何かを進める際は「情報を取ってくる場面」と「情報を発信する場面」に分けることができる。
「本を読む、講演を聞く、学校に行く」なんかはinputだし、「ツイートする、ブログを書く、Youtubeに投稿する」などはoutputだ。
outputが必要な理由は、モチベーションの維持だ。outputをすると、数は少なくても外部からの反応が得られるので、継続する動機につながる。
つまみ食いとポイ捨て
やりたいこと群から着手リストを3つ作ったら、全てを同時並行してちょっとずつ進めよう。
一番興味があることを集中的に、と思いたいところかもしれないが、そもそも最初から一つに絞れない時点で、その予想が外れる可能性が大きいと考えた方がよい。
ある一つのことに集中して時間を投下した結果、それが自分がやりたいことではなかったとわかった時に、ショックが大きくて活動自体をやめてしまうリスクがある。
だから、3つをちょっとずつつまみ食いして進めて行くのがいい。
そして、同時並行して進めて行くうちに「どうもあまり興味が持てない」とか「選ばなかった10個のうち7つの中に、もっとやりたいことがあった」などとなるものが必ず出てくるので、そうなったらさっさとやめてしまって、その都度入れ替えを行なって行く。
もちろん、入れ替え後もoutputの要素を持った活動が最低1つは含まれていることを守って欲しい。
こうしてブラッシュアップして行くうちに、どんどん自己組織的にやらなきゃという気にさせられる。
しばらく継続しているうちに、自然と自分の活動が良いサイクルで回り始めるようになっていることに気づくだろう。
まとめ
端的に言うと、悩むのはやめて手を動かそう!ということだ。
とはいえ、無計画にあちらこちらやるようなバイタリティとわがままさを持たない「お人よし」は、ちょっと頭を使って取り組みましょうよ、という話でした。