わたしは会議中、お金がこぼれる音が聞こえることがあります。

別に幻聴とかではありませんし、財布から小銭を落としているわけでもありません。

生産性に関する話です。

 

他人の時間に敏感であれ

会議には、複数の人が参加します。多い時は数十人におよびます。

会議の時間単価を測ったことはあるでしょうか?

年収の400万円の人を想定した場合、5分あたりの給与は約180円です。

つまり、10人が参加する会議で5分無駄にしたら1,800円がなくなるわけですね。

会議という空間は、一人で作業している時間に比べて価値が人数分高くなるわけです。

このような時だからこそ、参加者がウームと言って全員黙っている時間にはお金がこぼれる音が聞こえるわけです。

 

会議でもっとも生産性の低い行為は?

ウームと黙っている時間は論外として、どの会議にも必ずあるであろう事柄でもっとも生産性が低いのは、主催者や参加者が用意した資料を口頭で説明する時間です。

基本的に人間は『話す速度』<『読む速度』なので、資料を読むだけならもっと短い時間でできます。

なんですが、主催者が補足を加えながら話をするので時間もかかりますし、耳と目を両方駆使しなければならず、読んでいる人にとっては集中力維持の妨げにもなってしまいます。

また、『口頭説明』のもっとも大きな弊害が、聞いている側が優先度をつけられないという点です。

聞く側には、その話で確認したいポイントは人によって絞られています。

しかし、説明する側は起承転結を全て話すものですから最初に優先順位の高い議題が出てくるとは限らないのです。

 

これを解決する良い方法は、用意した資料を読まないということです。

代わりに、会議中の何分間か資料に目を通す時間を設けます。

この時間中、発言は禁止です。読むために与えられた時間だからです。

こうすることで、『読む時間の省略』と『聞きたいことの優先順位づけ』を同時に実現することができます。

また、副次的な効果として、読んでもらわなければ伝えられないので、作成する資料の品質を高くせざるを得ないということが挙げられます。

つまり、成功する会議に求められる事前準備の重要さが自然と説明者にプレッシャーとして与えられるわけですね。

 

まとめ

 

ここで書いた話は、以下の本の受け売りですので、興味が出た方はぜひ一度読んでみることをオススメします。

この本で、日本企業では会議の生産性よりも資料作成者への思いやりが重視されていると言い表されていたのが、まさに本質を付いていると思います。

 

生産性 – 伊賀泰代(著)